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< 計画上の注意点 > 「 どんな配慮が必要か? 建物が協力できる療育支援の可能性 」 『 発達障害形成メカニズムと建築計画上の関係 』 発達障害支援センターを設計する上でまず注目すべきは点は、自閉症とその一連の障 害の形成メカニズムが、発生原因そのものは脳の器質的障害に起因しているものの、実 質的な問題となる症状や行動の障害は、実は幼児期の成長過程において後天的に形成さ れると考えられることです。 自閉症の起因となる対人指向の弱さや知覚の特異性は、本人の意思や環境とは無関係 に、本来行われるべき養育者との相互干渉を阻害します。その結果、一種の母性剥奪の 状態を自ら形成していると考えられます。 自閉症以外の発達障害においても、基本的に対人関係形成を不得意とする傾向が強く、 二次的に対人不振や拒絶の傾向が助長され易いと考えられます。 こららの傾向が本人の意図するものではなく、また、対人拒絶傾向が定型化した後に おいても、集団への興味をその内面においては持ち続けていることを見逃してはなりま せん。 療育の現場においては、主に母親を通して相互交流を回復することを基本としながら、 徐々に外界への情緒的な人間関係形成を促す働きかけが行われていますが、建築計画上 においても同様に、対人指向性の回復、促進を積極的に支援する空間構成の計画が重要 と考えられます。 『 重層的療育空間の効用 』 具体的な方法論として、保育室で療育を受ける子どもたちが、対人関係の許容範囲に 応じて、段階的にストレスからの回避がが可能な様に、保育室を中心として、廊下やラ ウンジ、中庭などを、連続的、重層的に構成する方策が考えられます。 ひかり園を例に取ると、保育室を取り巻く様にラウンジを兼用した少し幅の広い廊下 を配しています。保育室と廊下の間には、高さ70cmのカウンターにより空間が繋が っていますが配されていますが、この高さは、幼児が体を隠して目だけで参加したり、 ラウンジで母親の膝に抱かれて僅かに中の様子を覗くことを予め想定しています。更に その外側には、中庭が配置され、裸足のまま退避しても良い様に木製のデッキとしてい ます。ここでは、廊下よりももう一段階対人密度が薄く、尚且、いきなり敷地外へ飛び 出す危険を緩和する空間ともなっています。